タイソン・フューリーは35歳で引退か…妻は「40歳で戦う夫を見たくない」

タイソン・フューリーと妻パリス

WBC世界ヘビー級王者タイソン・フューリー(英国)の妻パリスさんが、夫のキャリアについて「あと2年になるだろう」と話したと英国スポーツラジオ局『talkSPORT』が伝えた。

10月9日にデオンテイ・ワイルダーとの第3戦を制し、WBC世界ヘビー級タイトルを防衛したタイソン・フューリー。ヘビー級史上初の主要4団体統一を目指し、WBAスーパー・IBF・WBO同級統一王者オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)か、そのウシクと再戦予定のアンソニー・ジョシュア(英国)との対戦が今後最大のキャリアハイライトになると予想されている。

しかし、ワイルダーとの第3戦前後から"引退"の噂も表面化している。2016年以降、ドーピング問題で次々と王座を剥奪され、2017年12月には2年間の資格停止処分を受けた。さらにうつ病を発症して事実上の引退状態になったことがある。

2018年6月の復帰戦以降は、WBCタイトルを手にし、ワイルダーとの直接闘争やジョシュアとの統一戦への期待が高まったが、現在33歳のフューリーにとってはあと2年がリミットだと、妻で6人の子供の母であるパリスさんは話す。

「彼は彼自身のために、あと数年ボクシングをやると思います。彼は今33歳。(続けるのは)35歳になるまでだと思います」と話す。その理由として夫と対戦したレジェンドを引き合いにしてこう付け加えた。

「ウラジミール(クリチコ)や他のボクサーが40歳になるまで(現役を)続けていたことは知っていますが、負けるまで続けるべきでしょうか? 私にはわからないけど、夫がそうなるのを見たくない。彼に続けてほしくないんです」

実際、アトランタ五輪スーパーヘビー級金メダリストで、元WBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級王者だったクリチコは、90年代後半から2010年代まで無敵の存在として君臨したが、2015年11月28日にフューリーに敗れ、2017年4月29日にはジョシュアに敗れ、その痛々しい敗戦が世代交代を決定づけることになった。

現代世界ヘビー級戦線のトップランナーとなったフューリーは、WBC同級暫定王者ディリアン・ホワイト(英国)、あるいはウシクかジョシュアとの4団体統一戦が直近での試合になるだろう。しかし勝負事の常だが、その先の未来となると、20代のライバルたちとの戦いに敗れ、クリチコのような未来が待っているのではないか、というのがパリスさんの心配だ。

パリスさんは「ボクシングは彼の愛と情熱であり、彼が世界で最もやりたいことだと私は知っています」と理解を示すが、「そのために私は彼をサポートしますが、私はそれを楽しんでやっているわけではないんです」と話した。

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