クリッパーズ、「もしも…」と悔やむようなサンズとの第4戦&シリーズ?

Paul George LA Clippers

6月26日(日本時間27日)に行なわれたNBAプレイオフ2021 ウェスタン・カンファレンス・ファイナル(西地区決勝)のフェニックス・サンズ対ロサンゼルス・クリッパーズ第4戦は、サンズが84-80で勝利を収めた。3勝1敗としたサンズは、NBAファイナル進出に王手をかけている。

この試合、そしてここまでのこのシリーズ、クリッパーズは「もしも…」とぼやいてしまうかもしれない。

もしも、第4クォーターにポール・ジョージがフリースローを決めていたら? またも、クリッパーズのスターはフリースローラインから貢献できなかった。終盤に重要なFTを失敗したのは、ここ3試合で2回目だ。この日の試合では、1点差に迫るチャンスだった。クリッパーズが敗退したら、ジョージはこれらのFTに悩まされるはずだ。

ジョージにとっては気の毒だ。彼はもともと堅実なFTシューターだからである。キャリア通算の成功率は85%で、昨年のプレイオフでは91%だった。これらのプレイオフで巻き返すようなパフォーマンスも見せてきたが、完全に問題を解決できてはいないようだ。確かに、完璧な人間はいない。だが、それでも…。

もしも、デマーカス・カズンズのバスケットボールIQがもっと高かったら? イビツァ・ズバッツを上回るパフォーマンスを見せられず、ベンチにいることが多かったカズンズは、2度にわたって短時間出場し、そのどちらも惨憺たる出来だった。

第2戦ではバスケットへのパスコートを阻むことができず、ジェイ・クラウダーにディアンドレ・エイトンへのアシストを許した。そして第4戦の終盤では、ジョージが意図的にFTを失敗した際にリバウンドを拾うために投入されたのだが、そのプレイでファウルを受けたカズンズは、1本目のFTを決めてから、2本目を意図的に外したものの、リングにボールを当てなかったのだ。これはバイオレーション。彼はルールを知らないのだろうか?

もしも、第4戦終盤の重要なポゼッションで、審判団がリプレイ映像を確認していたら? キャメロン・ペインがドリブルでボールを運ぼうとした際、ニコラス・バトゥームの守備でボールはコートの外へ。クリッパーズのボールとなるべきで、同点に追いついたり、逆転する機会になり得たが、リプレイ確認がされないままサンズのボールとなった。

もしも、この日のクリッパーズがいつになく3ポイントショットの精彩を欠くことがなかったら? いくつかコンテストされたのは事実で、サンズの守備に敬意を表すべきだ。しかし、多くはワイドオープンだった。シーズンを通じてNBAで最も効率的に長距離ショットを決めてきたクリッパーズが、31本中26本の3Pを失敗したのだ。成功数(5)はターンオーバー(10)の半分。そしてそれでも、彼らには終盤に勝つチャンスもあった。

特に不振だったのが、9本中1本成功だったジョージだ。焦ってショットを放っているようだった。1on1に陥ることが多く、あまりにも自分がやろうとしていた。そうしなければいけないと感じたからかもしれない。だが、FG20本中5本成功と、彼はチームを助ける以上に傷つけた。

もしも、クリッパーズがこのシリーズで終盤にもっとうまくやれていたら? 3敗のうち2つは最後まで分からず、もう1敗も6点差だった。敗れた3試合の点差は合計11点だ。

もちろん、最も悔しい結果に終わり、痛手となったのは第2戦だ。あのインバウンズプレイでサンズは完璧だったが、そこに至るまで(ジョージのFT失敗)とそのプレイ中(カズンズのミス)のすべてはクリッパーズの責任だ。

そして最後に、最大の「もしも…」だ。もしも、カワイ・レナードが健康でプレイできていたら? 熱狂的なサンズのファンを除き、レナードがコートに立っていてもサンズがこのシリーズをリードすると考える人はいるだろうか。

忘れてはいけないが、レナードはクリッパーズで終盤の救世主とされる選手だ。今シリーズのクリッパーズの手痛い黒星は、彼がいれば違うように、おそらくは違う結果になっていたかもしれない。レナードがジョージから得点をあげ、英雄となる重圧を取り除くことも忘れてはいけない。第4戦で決めれば同点ないし逆転という場面でFG13本中0本成功だったクリッパーズに、何としてもレナードが必要だったことも忘れてはいけない。レナードが守備でトップクラスの先週であり、おそらくはサンズが勝利した初戦でブッカーに40得点をあげさせることもなかったかもしれない。

そして、ベストプレイヤーを欠けばいつだって、穴を埋めるためにロールプレイヤーに安全地帯を飛び出すことを求めなければならない。そして、普段はそれほど責任を負わないバトゥームやマーカス・モリスSr.、ルーク・ケナードやテレンス・マンは、出場時間が増え、いつもとは異なる仕事を課されている。

問題を抱えるクリッパーズに対し、サンズが特別に印象的だったわけではない。それでも、サンズは四半世紀ぶりのNBAファイナルまであと1勝としてホームに戻った。

そして、クリッパーズはあと1回負ければ、夏を通じて勝つことのできない複雑なゲームを戦うことになる。

原文:Clippers wondering 'what if?' as Suns move 1 win away from The Finals by Shaun Powell/NBA.com(抄訳)


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