東京五輪陸上の銀メダリストを含む4人が禁止薬物違反で暫定的な資格停止処分に…正式決定でメダル剥奪へ

東京五輪400mリレー銀のウジャ

8月13日、世界陸連(ワールドアスレティクス)は東京オリンピックの男子400メートルリレーで銀メダルのチジンドゥ・ウジャら他種目含めた計4名にドーピング違反があったとして暫定的資格停止処分を科したことを明らかにした。

オリンピック終了後にはメダリストや選手たちの母国からのニュースや次の試合へのポジティブな話題が届くものだが、ドーピング違反のニュースもまた悪い意味で恒例となっている。

世界陸連の独立不正防止機関「アスレチックス・インテグリティ・ユニット(AIU)」によると、ウジャに加え、男子100メートルのマーク オティエノ・オディアンボ (ケニア)、男子1500メートルのサディク・ミフー(バーレーン)、男子砲丸投のベニク・アブラミャン(ジョージア)から、五輪期間中の検査により禁止物質の検出があったという。

今回の東京五輪の結果に対する処置は、国際オリンピック委員会(IOC)が設立した国際検査機関(ITA)の報告後に決定される。正式に失格が決まると、該当選手より下位の選手の成績が繰り上がる。男子400メートルリレーで銀のウジャの場合、チーム全体で失格となり、3位のカナダが銀メダル、4位の中国が銅メダルに繰り上がる見込み。

ウジャにおいては筋肉増強に関連する禁止薬物に指定されるオスタリンと選択的アンドロゲン受容体調節薬『SARM S-23』の検出および使用が疑われている。

東京五輪開催中には、女子100メートルのブレッシング・オカグバレ(ナイジェリア)に禁止薬物違反が見つかり、7月31日に暫定ながらドーピングによる失格者1号になっていた(男子100メートルのオディアンボも同日失格扱いにはなっている)。

前述のITAは、7月22日に東京五輪開催中に約5000検体を採取する予定であることを発表。試合直後に行う検査で3500検体、選手村など競技会場以外で1500検体を採取するとしていた。検査結果は24時間から72時間で出るとされる。

近年のオリンピックにおけるドーピングでは、2014年のソチ五輪で、ロシアが組織的なドーピングを行ったとして大きな問題となった。2016年リオデジャネイロ五輪には国としての参加が認められず、一部競技の選手のみOAR(オリンピック・アスリート・フロム・ロシア)として出場となったが、同大会でもドーピング隠蔽が発覚。スポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定により、2022年12月まで主要な国際大会出場が不可となり、東京五輪もROC(ロシア・オリンピック委員会)名義で参加した経緯がある。

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