NFL パワーランキング:パッカーズ、タイタンズ、レイダースが上昇。第8週目を前にして、チーフス、49ersが苦境に

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NFLシーズン第7週目は強豪チームの多くが順調に勝利数を積み上げたが、AFCカンファレンスの上位チームのいくつかが躓き、勢力地図に新たな変動が生じた。

アリゾナ・カーディナルス、ロサンゼルス・ラムズ、タンパベイ・バッカニアーズはどれも日曜午後の試合で格下の相手から勝利を収めて、上位を守った。グリーンベイ・パッカーズは日曜午前の試合で大勝した。AFCカンファレンスはバッファロー・ビルズとロサンゼルス・チャージャーズに試合がなかった。だが試合があったチームのなかでコンファレンスの展望は大きく変わった。

第8週目を迎える32チームの、スポーティングニュースが見る状況は以下の通りだ。

 

NFL パワーランキング

1. アリゾナ・カーディナルス、7勝0敗 (前回の順位:1)

カーディナルスはヒューストン・テキサンズを一蹴した。古巣チームと戦ったディアンドレ・ホプキンス(ワイドレシーバー)とJ・J・ワット(ディフェンシブエンド)は強力な援軍を得た。カイラー・マレー(クォーターバック)とラン攻撃陣は堅実な仕事をこなし、パスラッシュとカバーリングも良く、チーム創設以来最高の開幕スタート記録を決定づけた。

2. ロサンゼルス・ラムズ、6勝1敗 (2)

ラムズはシーズン未勝利のデトロイト・ライオンズから派手な得点はあまりなかった。ジャレッド・ゴフ(ライオンズのクォーターバック。昨年までラムズに在籍)はリベンジに燃えていたが、ラムズの攻撃陣と守備陣はいつも通りの堅実なプレイに終始した。あるいは少し力を抜いたかもしれない。

3. タンパベイ・バッカニアーズ、6勝1敗 (4)

バッカニアーズは前週に続き、本拠地で格下の相手を危なげなく破った。今回の相手はシカゴ・ベアーズだった。トム・ブレイディ(クォーターバック)はまたしても堅実な攻撃を見せた。上位にあるのは2チームだけで、スーパーボウル連覇へ向けたバッカニアーズのチーム状態は申し分ない。

4. グリーンベイ・パッカーズ、6勝1敗 (5)

アーロン・ロジャース(クォーターバック)は第1週目以来、チームを引っ張ってきている。戦力の劣る相手を正統的で正確なプレイで下してきている。ラン攻撃陣と守備陣もロジャースを大いに助けている。

5. ダラス・カウボーイズ、5勝1敗 (6)

カウボーイズは今シーズン健康に恵まれている。何よりもダック・プレスコット(クォーターバック)が足首と肩の故障から回復していることは大きい。ふくらはぎの軽い故障も問題ないようだ。今週はバイ・ウィークで試合がなかったため、さらに状況が好転することが期待できる。チームの攻撃力は多彩かつ強力であるし、守備陣も良い。スーパーボウル選出を狙うチームとして名乗りを上げる資格は十分だ。

6. テネシー・タイタンズ、5勝2敗 (13)

タイタンズはシーズン序盤で弱いAFCカンファレンス内で優位な位置を獲得した。ラン攻撃によるセットアップとビッグプレイを演出するパス攻撃を組み合わせた方程式が出来上がっている。守備陣も万全だ。開幕スタートは躓いたが、マイク・ブラベル(ヘッドコーチ)はチームの状態を引っ張り上げてきた。バッファロー・ビルズとカンザスシティ・チーフスという強敵をそれぞれ別のスタイルで連破したことは大きい。

7. バッファロー・ビルズ、4勝2敗 (4)

バイ・ウィークで試合がなかったビルズだが、その前にタイタンズに痛い逆転負けを喫した。カンザスシティ・チーフス戦から挙げた貴重な勝利の後、やや調子を落としている。それでもAFCカンファレンスの優勝候補であることには違いはないが、第7週目の結果でやや状況は苦しくなった。トップを狙うためには課題は山積している。

8. シンシナティ・ベンガルズ、5勝2敗 (10)

ベンガルズの躍進は今シーズンで最大のサプライズだ。混戦のAFC北地区でトップに躍り出た。同地区の他のチームは問題を多く抱えているが、ベンガルズはそうではない。ジョー・バロウ(クォーターバック)からジャマール・チェイス(ワイドレシーバー)への連携は新たなNFL随一のコンビネーションと呼んでも過言ではない。課題はトレイ・ヘンドリクソン(ディフェンシブエンド)と改編した守備陣がどう機能するかだろう。

9. ラスベガス・レイダース、5勝2敗 (11)

レイダースはAFC西地区のトップに躍り出た。ジョン・グルーデンをヘッドコーチから解任した後、チームはよく組織され、長所を最大化し、弱点を最小化することに専念している。それはあたかもグルーデンが反面教師であり、不振の原因であったかのようだ。

10. ボルティモア・レイブンズ、5勝2敗 (7)

レイブンズの守備陣は第6週目に本拠地で迎えたロサンゼルス・チャージャーズ戦で調子を取り戻したようだ。第7週目のベンガルズ戦ではパスへのカバーだけが課題として残った。ラマー・ジャクソン(クォーターバック)相変わらず抜群ではあるが、それ以外のラン攻撃陣が普段の破壊力を発揮できていない。

11. ロサンゼルス・チャージャーズ、4勝2敗 (8)

チャージャーズはレイブンズ戦で不本意な完敗を喫した後、バイ・ウィークで休養を与えられた。ジャスティン・ハーバート(クォーターバック)が主導するパス攻撃と安定した守備陣をもってすれば、このチームの潜在能力は高い。プレーオフ進出を目指す位置を維持するには、リーグ最悪のラン守備を強化することが必要である。

12. クリーブランド・ブラウンズ、4勝3敗 (12)

ブラウンズは木曜夜のデンバー・ブロンコス戦でガッツあふれるプレイで勝利を挙げ、強烈な印象を残した。ケイス・キーナム(クォーターバック)とダーネスト・ジョンソン(ランニングバック)が特に光った。ハロウィン(10月31日)のピッツバーグ・スティーラーズ戦まで少しの猶予を与えられたことで、さらに故障者が回復してくることが期待できる。

13. カンザスシティ・チーフス、3勝4敗 (9)

チーフスは攻撃主体のチームなだけに、その攻撃陣がスランプに陥るとチームはすぐに崩壊する。現在のパトリック・マホームズ(クォーターバック)はまさにその典型だ。アンディ・リード(ヘッドコーチ)にはこの状況を打破する劇的な手腕が期待される。そうでなければ、3年連続のスーパーボウル進出は困難である。

14. ピッツバーグ・スティーラーズ、3勝3敗 (14)

スティーラーズプレーオフ進出を狙える位置でバイ・ウィークに入った。新人のナジー・ハリス(ランニングバック)を攻撃の中心に据え、守備陣も良く機能するようになってきた。ベン・ロスリスバーガー(クォーターバック)がシーズン後半に調子を上げてくることが望みだ。

15. ニューオーリンズ・セインツ、4勝2敗 (15)

セインツはプレーオフ進出に望みを残している。ドリュー・ブリーズ引退後も昨シーズンと似たアプローチを取っている。固い守備、力強いラン攻撃、そして数少ないビッグプレイでのパス攻撃だ。前週はバイ・ウィークで試合がなかった。休み明けのシアトル・シーホークス戦で勝利したことは大きい。

16. ミネソタ・バイキングス、3勝3敗 (16)

バイキングスはマイク・ジマー(ヘッドコーチ)の指揮の下、自らの長所を生かしたチーム戦略で良い方向に向かっている。ランを多用した攻撃で長いパスのチャンスを窺い、守備陣はプレッシャーとカバー両面でサポートする。バイ・ウィークの後で、チームはさらに安定するだろう。次戦のカウボーイズ戦はそれを占う格好のリトマス紙になる。

17. ニューイングランド・ペイトリオッツ、3勝4敗 (23)

ペイトリオッツは攻撃力に乏しく、ラン守備は弱い対戦相手(ニューヨーク・ジェッツ)から大勝を挙げている。プレッシャーを取り除かれたマック・ジョーンズ(クォーターバック)はリラックスして、勝利するために必要なプレイができた。もっと強い相手にこれができなくてはいけない。

18. インディアナポリス・コルツ、3勝4敗 (25)

コルツはシーズン序盤こそ対戦相手に恵まれず苦しんだが、その後の状況は好転した。フランク・ライク(ヘッドコーチ)の指揮の下、AFCのワイルドカード争いを狙える位置に戻ってきた。2ゲーム差のタイタンズに追いつくのは非常に厳しいだろうが、カーソン・ウェンツ(クォーターバック)が攻撃陣の調子を引き上げれば、プレーオフ進出の可能性はある。

19. アトランタ・ファルコンズ、3勝3敗 (24)

ファルコンズはニューヨーク・ジャイアンツ、ニューヨーク・ジェッツ、そしてマイアミ・ドルフィンズを破り、勝率を5割に戻した。守備陣はまだ褒められた状態ではないが、攻撃陣はマット・ライアン(クォーターバック)が調子を上げてきており、アーサー・スミス(ヘッドコーチ)が望む方向へ進んでいる。

20. シカゴ・ベアーズ、3勝4敗 (19)

ベアーズはアンディ・ダルトンに代わって新人のジャスティン・フィールズをクォーターバックに起用することに躊躇った理由を暴露してしまったようだ。それほどフィールズのパフォーマンスは新人クォーターバックとしても最悪で、チームはこのままではプレーオフ進出の望みはなくなる。攻撃陣の崩壊は守備陣にもすべてのレベルで悪影響を与えている。マット・ナギー(ヘッドコーチ)は打つ手を失ったようだ。

21. シアトル・シーホークス、2勝5敗 (17)

シーホークスは危機に瀕している。長くチームを引っ張ってきたラッセル・ウィルソン(クォーターバック)を故障で欠き、守備陣の不調をカバーできなくなっているからだ。セインツに敗れたことで、勝率5割以上への道はさらに険しくなってしまった。

22. サンフランシスコ・49ers、2勝4敗 (18)

49ersはカイル・シャナハン(ヘッドコーチ)の創造力を失い、攻撃陣をどう運営するかの方策を立てることができない。守備陣も後列の7人が弱すぎて、立て直しようがないように見える。

23. カロライナ・パンサーズ、3勝4敗 (20)

パンサーズは急激に調子を落としている。サム・ダーノルド(クォーターバック)は本調子に戻ってきたが、クリスチャン・マカフリー(ランニングバック)は不在のままだ。マット・ルール(ヘッドコーチ)はP.J.ウォーカー(クォーターバック)を起用するかもしれない。だが4月のドラフトで有望なクォーターバックを1巡目指名しなかったことはチームにとって痛手になるかもしれない。

24. デンバー・ブロンコス、3勝4敗 (21)

ブロンコスは開幕後3連勝の後で急激に調子を落としている。有望選手を集めたジョン・エルウェイ(フットボール運営統括責任者)はまたも失望しているだろう。ビック・ファンジオ(ヘッドコーチ)とコーチ陣の座はあやうい。

25. フィラデルフィア・イーグルス、2勝5敗 (22)

イーグルスは本来ならもっと良い位置にあるべきチームだ。ジェイレン・ハーツ(クォーターバック)は所々で輝きを見せている。だが、基本的なラン攻撃が機能しないことと、守備陣が相変わらず不安定であることが、より大きな問題を引き起こしている。

26. ワシントン・フットボール・チーム、2勝5敗 (26)

ワシントンはフィラデルフィア・イーグルスと共に下位チームの定位置にきてしまった。守備陣が特にひどい。テイラー・ヘイニッケ(クォーターバック)と攻撃陣は多くの故障者を抱えながらもやや上向いてきている。

27. ニューヨーク・ジャイアンツ、2勝5敗 (28)

ジャイアンツはパンサーズを破り、セインツ戦での番狂わせに続く2勝目を挙げた。それでもNFC東地区の最下位からは脱しておらず、トップを行くカウボーイズとの差は大きい。

28. ニューヨーク・ジェッツ、1勝5敗 (27)

ジェッツは前週がバイ・ウィークで試合がなかった。ザック・ウィルソン(クォーターバック)には残りの2021年シーズンを戦うために完全な復調が期待されたが、ペイトリオッツ戦の前半で負った膝の故障は思わしくないようだ。ロバート・サラー(ヘッドコーチ)とマイク・ラフルール(攻撃コーディネーター)は他の攻撃陣をなんとか引っ張っている。

29. ジャクソンビル・ジャガーズ、1勝5敗 (31)

ジャガーズはロンドンで行われたマイアミ・ドルフィンズ戦で劇的な勝利を挙げた後、待ち望んでいたバイ・ウィークで時間を与えられた。トレバー・ローレンス(クォーターバック)にとっては初のバイ・ウィークでとなり、第8週目のシーホークス戦に2勝目の期待がかかる。

30. マイアミ・ドルフィンズ、1勝6敗 (29)

トゥア・タゴヴァイロア(クォーターバック)は責められるべきではないが、チームは昨シーズンの10勝6敗という成績からすると、信じられないほどの低調ぶりだ。2020年で喫した敗戦の原因はすべて守備陣に帰せられる。攻撃陣は数多くの輝きを見せていたのだ。デショーン・ワトソン(クォーターバック)をトレードで獲得しても、ブライアン・フローレス(ヘッドコーチ)が抱える問題を解決はしない。

31. ヒューストン・テキサンズ、1勝6敗 (30)

テキサンズは数人のベテランを含む再建中のロースターで戦っている。第1週目に幸運な初勝利を挙げたが、今ではその相手のジャガーズより劣ってしまっている。

32. デトロイト・ライオンズ、0勝7敗 (32)

ライオンズはラムズ相手に健闘したが、脅かすまでには至らなかった。単純に言えば、番狂わせを起こすだけの戦力がなかったということだ。いつかはダン・キャンベル(ヘッドコーチ)も勝利を挙げるだろうが、このままではそれは2022年まで待たなくてはならないかもしれない(もしそれまでヘッドコーチでいられたら)。

(翻訳:角谷剛)

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