NBA創立75周年を記念する2021-22シーズンを前にしたトレーニングキャンプの開始まで数週間。NBAが歴代の偉大な選手75名を選出する予定の中、『NBA.com』のグローバルスタッフの投票で、現在のリーグにおけるトップ選手30名のランキングを更新した。
このランキングに登場するのは、新シーズンの開幕戦に登場予定の選手たちだ。つまり、負傷から回復中のカワイ・レナード(ロサンゼルス・クリッパーズ)やジャマール・マレー(デンバー・ナゲッツ)といった選手たちは除外されている。
ランキングはスタッフ10名の投票により、1位票が30ポイント、2位票が29ポイント、3位票が28ポイント…と進み、1ポイントの30位票まで投じる。なお、前回ランキングは2020-21シーズン後半戦が始まる際のものだ。
選外のビッグネーム
リーグには優れた選手たちがおり、とても才能のある選手たちでも選外となった。以下がその例だ。
- ラメロ・ボール(シャーロット・ホーネッツ)
- マイク・コンリー(ユタ・ジャズ)
- デマー・デローザン(シカゴ・ブルズ)
- ドレイモンド・グリーン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)
- ザック・ラビーン(シカゴ・ブルズ)
- ドマンタス・サボニス(インディアナ・ペイサーズ)
- ニコラ・ブーチェビッチ(シカゴ・ブルズ)
ボールには2票が投じられたが、トップ30入りに必要なポイント(9)には及ばなかった。30位票が2票、29位票と27位票が各1票だったラビーンも同様だ。
デローザン、グリーン、サボニスもそれぞれ複数票を獲得したが、ポイントが届かず。3月のリストではデローザンが26位、サボニスが30位にランクインしていた。
トップ10の選手たち
10位 アンソニー・デイビス(ロサンゼルス・レイカーズ)
最高順位:8位
最低順位:12位
ADは3月と同じ順位となった。
昨季、デイビスとレイカーズは負傷に悩まされた。デイビスはレギュラーシーズンの72試合のうち半分を欠場。ポストシーズンを前に復帰したが、フェニックス・サンズとのプレイオフ・ファーストラウンドでそけい部を負傷した。
オフシーズンを通じたリハビリと回復を経て、デイビスは初めてNBAのタイトルを獲得した2020年のNBA再開シーズンで見せたような調子を取り戻そうと目指している。
9位 デイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)
最高順位:9位
最低順位:10位
ここまで投票者の意見が一致する選手は少なかったが、誰もがリラードはトップ10入りと考えているのは明白だった。
昨季のリラードはブレイザーズで平均28.8得点、7.5アシスト、4.2リバウンドを記録し、プレイイン・トーナメントを避けてのウェスタン・カンファレンス第6シードにブレイザーズを導いた。ポストシーズンでは平均34.3得点、10.2アシストとさらに数字を伸ばし、オーバータイムの末にナゲッツに敗れたプレイオフ・ファーストラウンド第5戦では、55得点、10アシストマークしている。それでも、リラードの英雄的パフォーマンスにもかかわらず、ブレイザーズは第6戦で敗退。オフシーズンはヘッドコーチ交代に動いた。
2021-22シーズンのブレイザーズは多くの疑問に直面する。だが、ロスターにリラードがいれば、どの試合でも競うに十分だろう。
8位 ジェームズ・ハーデン(ブルックリン・ネッツ)
最高順位:6位
最低順位:10位
ブルックリンでハーデンが道を見つけられないと言ったのは誰だろうか?
昨季のネッツは多くの負傷に対応しなければならなかったが、ハーデンはネッツでレギュラーシーズンの36試合に出場し、平均24.6得点、10.9アシスト、8.5リバウンドを記録した。イースタン・カンファレンス・セミファイナル開始直後に彼がケガをしていなければ、シリーズはもっと違う結果になっていたかもしれない。
ハーデンとネッツの目は前を向いており、彼らは再びイーストで抜きんでるとみられている。ケビン・デュラント、カイリー・アービングというスーパースターのチームメイトたちのそばで、より優れたハーデンを見ることができるだろう。このトリオはまだ始まりにすぎない。
7位 ジョエル・エンビード(フィラデルフィア・76ers)
最高順位:5位
最低順位:8位
MVP投票で2位となったエンビードは、リーグで最も支配的な選手だと主張している。
レギュラーシーズンで自己最多の平均28.5得点を記録したエンビードは、プレイオフでもその支配を続けた。ファーストラウンドで半月板を断裂したにもかかわらず、第7戦で敗れたアトランタ・ホークスとのカンファレンス・セミファイナルでは、平均30.4得点、12.7リバウンド、3.9アシストを記録している。
来たるシーズンの76ersを巡っては、不確実なことも多い。だが、4年1億9600万ドル(約215億6000万円)の延長契約を結び、これから6シーズンにわたり76ersにとどまるエンビードの能力に関しては疑いない。
6位 ルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)
最高順位:5位
最低順位:8位
「ドンチッチを表現する言葉がなくなってきた」から、「ドンチッチを表現する言葉はなくなった」になった。真面目な話だ。
3シーズンでドンチッチの魔法使いぶりにはもう誰も驚かなくなった。ただ座って笑うしかない。
22歳は試合のペースや方向性を支配する能力を伸ばし続けている。それは、7試合平均35.7得点、10.3アシスト、7.9リバウンドという数字でマーベリックスをセカンドラウンド進出に導きかけたプレイオフでのパフォーマンスでも明白だ。
5位 ニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)
最高順位:4位
最低順位:7位
ヨキッチは様々な形で従来の型を破った。ドラフト2巡目指名からのMVP受賞は初。センターでこのトロフィーを掲げたのは20年ぶりだ。だが、彼は典型的なセンターではない。
すでに多くの人がビッグマンで歴代最高のパサーと考えているヨキッチは、2020-21シーズンに平均26.4得点、10.8リバウンド、8.3アシストを記録し、マレーを欠いていたにもかかわらず、ナゲッツをプレイオフのセカンドラウンドに導いた。マレーの復帰を巡る詳細は不確実で、ナゲッツをウェスト上位にとどめるために、ヨキッチは再びMVP級のシーズンとする必要がある。
4位 ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)
最高順位:3位
最低順位:6位
今季途中で34歳となるが、カリーはまったく衰えの兆しを見せていない。
歴代最高のシューターは昨季、自己最多の平均32.0得点をあげ、自身2度目の得点王に輝き、MVP投票で3位となった。4年2億1500万ドル(約236億6100万円)の延長契約を結び、キャリアで総額2億ドルを超える契約に2度サインしたNBA史上初めての選手となっている。
昨季のウォリアーズはプレイイン・トーナメントで0勝2敗と敗退した。だが、ロッタリーピックのタレント2選手を加え、「スプラッシュブラザーズ」のカリーの相棒クレイ・トンプソンが復帰することで、2021-22シーズンのカリーはより容易にウォリアーズをさらなる高みに導けるかもしれない。
3位 レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)
最高順位:2位
最低順位:4位
このランキングでは3位だが、「キング」はまだまだ捨てたものではない。
実際、彼とレイカーズのシーズンを変えた足首のケガを負う直前の前回ランキングで、ジェームズは1位だった。レギュラーシーズン最後の29試合のうち25試合を欠場したにもかかわらず、ジェームズはポストシーズンで全力。まずはプレイイン・トーナメントでウォリアーズ相手の勝利に導くと、フェニックス・サンズとの6試合では平均23.3得点、8.0アシスト、7.2リバウンドを記録した。だが、ジェームズはキャリアで初めてファーストラウンド敗退となっている。
19シーズン目を迎えるジェームズが、まだトップの座を競うと論じられていることが、すでに信じられないことだ。そして、彼は王座奪還へのモチベーションにあふれている。周囲のキャストがほぼ完全に新しくなり、ジェームズは音を立てる準備を整えている。
2位 ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)
最高順位:1位
最低順位:3位
ここで王者の登場だ。我々のリストでは、僅差で1位とならなかった。
2位となったヤニスだが、昨季はNBA史上有数のパフォーマンスで優勝に貢献した。前ラウンドの2試合を欠場することになったひざの負傷をおしてプレイし、ファイナルでは平均35.2得点、13.2リバウンド、5.0アシストを記録し、バックスを50年ぶりの優勝に導いた。
彼は最大の舞台で次から次に名場面を披露し、タイトル獲得を決めた試合では50得点をあげた。
12月でまだ27歳という年齢を考えれば、遅かれ早かれヤニスはリストのトップを目指すだろう。
1位 ケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)
最高順位:1位
最低順位:3位
1位となったのは、平均34.3得点、9.3リバウンド、4.4アシスト、フィールドゴール成功率51.4%、3ポイントショット成功率40.2%、フリースロー成功率87.1%を記録したデュラントだ。イースタン・カンファレンス・セミファイナル第5戦で49得点、17リバウンド、10アシストを記録し、4日後の第7戦で48得点と爆発するなど、負傷に苦しんだネッツをカンファレンス・ファイナル進出に迫るところまで導いた。
リハビリで2019-20シーズンを全休し、様々な病気で2020-21シーズンの半分を欠場したにもかかわらず、デュラントはポストシーズンでMVP級のレベルに戻った。さらに東京オリンピックではアメリカ代表で自身3度目となる金メダルを獲得している。
2021-22シーズンを前に我々のランクでトップとなったデュラントは、自身3度目となるNBA優勝のタイトルを目指している。
ファイナルリスト
順位 | 選手 | チーム | 前回順位 | ポイント |
1位 | ケビン・デュラント | ネッツ | 2位 | 294 |
2位 | ヤニス・アデトクンボ | バックス | 3位 | 293 |
3位 | レブロン・ジェームズ | レイカーズ | 1位 | 279 |
4位 | ステフィン・カリー | ウォリアーズ | 4位 | 271 |
5位 | ニコラ・ヨキッチ | ナゲッツ | 6位 | 258 |
6位 | ルカ・ドンチッチ | マーベリックス | 9位 | 250 |
7位 | ジョエル・エンビード | 76ers | 7位 | 241 |
8位 | ジェームズ・ハーデン | ネッツ | 8位 | 232 |
9位 | デイミアン・リラード | ブレイザーズ | 11位 | 217 |
10位 | アンソニー・デイビス | レイカーズ | 10位 | 212 |
11位 | ジミー・バトラー | ヒート | 12位 | 197 |
12位 | ジェイソン・テイタム | セルティックス | 13位 | 172 |
13位 | デビン・ブッカー | サンズ | 17位 | 164 |
14位 | クリス・ポール | サンズ | 19位 | 163 |
15位 | ポール・ジョージ | クリッパーズ | 16位 | 162 |
16位 | カイリー・アービング | ネッツ | 14位 | 131 |
17位 | トレイ・ヤング | ホークス | 29位 | 128 |
18位 | ドノバン・ミッチェル | ジャズ | 21位 | 123 |
19位 | ブラッドリー・ビール | ウィザーズ | 15位 | 116 |
20位タイ | バム・アデバヨ | ヒート | 18位 | 105 |
20位タイ | ザイオン・ウィリアムソン | ペリカンズ | 25位 | 105 |
22位 | クリス・ミドルトン | バックス | 23位 | 102 |
23位 | ルディ・ゴベア | ジャズ | 22位 | 92 |
24位 | ジェイレン・ブラウン | セルティックス | 24位 | 68 |
25位 | ドリュー・ホリデー | バックス | ランク外 | 61 |
26位 | カール・アンソニー・タウンズ | ウルブズ | ランク外 | 52 |
27位 | ラッセル・ウェストブルック | レイカーズ | ランク外 | 42 |
28位 | ジャ・モラント | グリズリーズ | ランク外 | 30 |
29位 | ジュリアス・ランドル | ニックス | ランク外 | 29 |
30位 | ベン・シモンズ | 76ers | 20位 | 21 |
原文:Who are the best players in the NBA entering the 2021-22 season?(抄訳)