ウォリアーズ、クレイ・トンプソンが現地9日キャブズ戦で復帰へ

Klay Thompson Golden State Warriors

1月9日(日本時間10日)にカリフォルニア州サンフランシスコのチェイス・センターで行われるクリーブランド・キャバリアーズ戦で、ゴールデンステイト・ウォリアーズのクレイ・トンプソンがコートに戻る。左ひざと右アキレス腱の負傷で2シーズンを棒に振ったトンプソンにとって、941日ぶりの試合出場だ。

8日(同9日)の練習後、トンプソンはコメントしなかった。スティーブ・カー・ヘッドコーチは、元NBA選手としても、ウォリアーズのヘッドコーチとしても、「最も感動的な試合のひとつ」になるだろうと話している。シカゴ・ブルズ時代に3連覇を成し遂げたチームメイトのマイケル・ジョーダンが、1年半にわたる野球生活を経て、1995年3月19日(同20日)のインディアナ・ペイサーズ戦で復帰した時になぞらえた。

カーHCは「クレイが初めてコートに足を踏み入れる時、私はその試合を決して忘れないと確信している」と話した。

「クレイという人そのものや、そして球団やベイエリア、チームメイト、私にとっての彼の意味からも、私のバスケットボール人生のハイライトのひとつとなるだろう。彼はみんなから愛される男で、その彼が2年半にわたって苦しむのを我々全員が見てきた。とても感動的になるはずだ」。

3シーズン連続で重傷を負うことがないように、ウォリアーズは慎重にトンプソンの復帰に取り組んできた。11月中旬にフルコンタクトの練習を許可し、Gリーグ傘下のサンタクルーズ・ウォリアーズで練習させてきた。デンバー・ナゲッツとの試合が延期となった先週には、予定外に行われた練習で、ウォリアーズのスターターとのスクリメージにも臨ませている。

カーHCによれば、すべてのスクリメージでトンプソンは「素晴らしい調子」だったという。フアン・トスカーノ・アンダーソンは、トンプソンが43秒間に12得点をあげたこともあると明かした。ただ、カーHCはトンプソンを先発起用する予定だが、出場時間はある程度制限されるようだ。

指揮官は「クレイが慣れるまで、チームが慣れるまで、少し時間がかかるだろう」と述べた。

「たくさんのことがある。2年半ぶりの復帰だ。彼がリズムを取り戻し、コンディションを整え、スタミナをつけるには時間がかかる。チームは新しいローテーションや役割などに慣れなければいけない。それが今シーズンのポイントだ」。

キャバリアーズ戦での復帰には、特別な意味もある。ホームゲームで復帰することに誰もがこだわっていたからだ。トンプソンは先日、「ファンの前でプレイしたい。彼らにふさわしい。2年ぶりなんだ。ホームのユニフォームを着た僕を見てもらうのがふさわしい」と話している。

ウォリアーズのファンが最後にユニフォームを着たトンプソンを見たのは、トロント・ラプターズと対戦した2019年NBAファイナルの第6戦だ。2019年6月13日(同14日)、トンプソンは第3クォーターの終わりにダニー・グリーンと競った際に左ひざ前十字靭帯を断裂した。

それはトンプソンの苦難の始まりでしかなかった。左ひざのリハビリに1シーズンを要したトンプソンは、2020年のNBAドラフトの日、ロサンゼルスでの他のNBA選手とのスクリメージ中に右アキレス腱を断裂したのだ。

トンプソンは昨年を「人生最悪の年」と表現した。2シーズン連続全休の負傷に加え、新型コロナウイルスのパンデミックの中で祖母を失い、約2年前のヘリコプター墜落事故でコービー・ブライアントと娘ジアンナが亡くなる悲劇に胸を痛めた。だが、球団関係者は、トンプソンがポジティブな姿勢を保ち、規律を保ってリハビリに取り組んできたと称賛している。長期にわたる離脱期間を、彼は頻繁に自分のボートで時間を過ごし、読書やチェスに興じ、愛犬ロッコと遊ぶなどして乗り越えた。

29勝9敗でウェスタン・カンファレンスの2位につけるウォリアーズは今季、ステフィン・カリーとドレイモンド・グリーンが健康を保ち、オールスター級の好調ぶり。アンドレ・イグダーラも復帰した。ジョーダン・プール、ジョナサン・クミンガ、オットー・ポーターJr.、ケボン・ルーニーといったロールプレイヤーたちがさらに層を厚くしている。

ウォリアーズは復帰初戦でトンプソンを先発起用する予定だ。ただ、本人は最近、負荷を軽減するため、そしてチームの戦力もあり、約18分間に出場時間が制限されるとの見込みを明かしている。

トンプソンは「僕たちは本当に素晴らしい、層の厚いチームだ。僕が復帰して大きな負担を背負う必要はない」と述べた。

「僕たちはとても層が厚く、才能のあるチームだ。僕は楽に進めていくことができる。本当に感謝しているよ」。

疑問は2つ。まず、トンプソンはいまだエリートクラスのシューターなのか?

本人は「ショットに関して心配したことはない」と話した。

「長期離脱からの復帰で最も難しいのは、タイミングと試合のリズム、そしてコンディショニングだ」。

2番目の疑問は、トンプソンはいまだエリートクラスのディフェンダーなのか?

本人は「本当に調子が良いと感じている」と述べた。

「正直、自分とトレーニングスタッフをほめたいね。長期離脱中は、自分が同じ選手でいられるのか、本当に疑問に思ってしまうこともある。でも戻ってきて、素晴らしい調子だと感じているんだ。数試合か数週間でまだオールスター級の選手になれると感じているよ」。

カーHCは「彼はクレイ・トンプソンだよ。殿堂入りする選手だ」と話した。

「本当に問題なのは、彼がリズムを取り戻し、本当に自信を深めるのに、どれくらいかかり、どのタイミングになるかということだけだ。それは予想できない。とにかく練習が必要だ。チームも彼と練習していく必要がある。自然に進めていくよ」。

原文:Warriors' Klay Thompson to return vs. Cavaliers on Sunday(抄訳)

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