歴代レジェンドの中でも稀有なレベルに向かっているヤニス・アデトクンボ

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Giannis Antetokounmpo Milwaukee Bucks

NBAファイナルで史上有数のパフォーマンスを披露し、ミルウォーキー・バックスを50年ぶりのタイトル獲得に導いたヤニス・アデトクンボが、『ESPN』のマリカ・アンドリューズ記者のインタビューで、NBAの頂点に立つまでの道のりや、ミルウォーキーで目標を達成した重要性を語った。

さらなる優勝リング獲得のために、自分にできることをすでに考えていると認めた一方で、ファイナルMVPに輝いたアデトクンボは、自分が成し遂げたことを振り返っている。

アデトクンボは「僕らがまた優勝することはないのかもしれない。それでも構わない。僕たちはやってのけたんだ」と話した。

「僕たちはやるべきことをやった。どこかに行き、スーパーチームに加わって、2回3回と優勝するより、僕はこの道で1回優勝するほうが良かったんだ」。

これらのコメントから、アデトクンボの選手として、そして人としての素晴らしさが分かるだろう。アデトクンボは競争心、献身、自身の価値観をすべてさらけ出した。それにより、NBAで最も好感の持てるスターのひとりとなっている。

だが、アンドリューズ記者の質問に対する彼の回答には、別の見方もある。キャリアのどれほど早い段階でアデトクンボがそれを成し遂げたか、ということだ。

「The Greek Freak」の愛称を持つ26歳のアデトクンボは、オールスター選出5回、オールNBA選出5回、オールディフェンシブチーム選出4回。最優秀躍進選手賞、最優秀守備選手賞、2度のMVP、そしてNBAファイナルMVPを受賞してきた。昨季のファイナル第6戦でフェニックス・サンズに勝利した際、アデトクンボは「タイムマシンをつくりたい」と冗談を飛ばした。2013年に戻り、新人王も受賞するためだ。

アデトクンボは、歴代の最も偉大な選手たちに名を連ねようとしている。マイケル・ジョーダン、シャキール・オニール、レブロン・ジェームズといった選手たちよりも早くに、アデトクンボはチームで明らかにナンバーワンの選択肢となり、初タイトルを獲得しているのだ。称賛、年齢、リーグでの地位、周囲のタレントなどを考慮すれば、歴史的にもアデトクンボのカテゴリーに属する選手を見つけることはなかなかできない。

ドウェイン・ウェイドにはオニール、マジック・ジョンソンにはカリーム・アブドゥル・ジャバー、ティム・ダンカンにはデイビッド・ロビンソン。若くしてチーム最高の選手としてタイトルを獲得した選手たちには、それぞれ大きな助けがあった。ラリー・バードは24歳にしてMVP投票で2位となり、タイトルを獲得したが、1試合平均21.2得点という数字だった。彼が3年連続でMVPを受賞したのは、もっと経ってからだ。比較で最も近いのは、ビル・ウォルトンだろう。24歳で優勝し、ポートランド・トレイルブレイザーズの明らかなリーダーだったからだ。だが、彼のキャリアは負傷で短かった。

NBAのほかの選手たちにとって脅威となるのは、アデトクンボがさらに向上できるということだ。一般的にスーパースターの全盛期となる時期を、彼はこれから迎えるのである。2019年はトロント・ラプターズ、2020年はマイアミ・ヒートと、ポストシーズンで壁にぶつかったが、2021年のプレイオフではアデトクンボの頭上で電球が光ったかのようだった。

プレイオフでの21試合で、アデトクンボは平均30.2得点、12.8リバウンド、5.1アシスト、1.2ブロック、1.0スティールという、とてつもない数字を残した。優勝を決めた試合では、フィールドゴール25本中16本成功、フリースロー19本中17本成功の50得点をあげている。彼の前に立ちはだかっていた壁に突然ヒビが入り、彼はそれを生かして攻めたのだ。

ジョーダンは、「バッドボーイズ」のデトロイト・ピストンズに苦しんだ。オニールは、アキーム・オラジュワンにやられた。ジェームズはダラス・マーベリックス戦での失敗から学んだ。アデトクンボは、つらい敗北を乗り越えた者だけにある自信をもって来季に臨むだろう。異なる次元に彼を推し進める突破口のようなものだったのだ。

アデトクンボにとっての天井は、どこまで上げるべきなのか? それは、彼がコントロールできない要素次第でもあるだろう。

バックスはこれから5年にわたり、アデトクンボを中心にチームをつくり続けなければいけない。フリーエージェントを追いかけ、ドリュー・ホリデーのようなトレードを追い求めたり、大きな動きに備えなければならない。ブルックリン・ネッツやロサンゼルス・レイカーズのような、現在のリーグでタイトルを競うようなチームたちは、大きな挑戦となるだろう。今後は新たなスーパーチームも出てくるはずだ。どこかで負傷問題に襲われるかもしれない。

それでも、アデトクンボに何かしら制限をもうけるのは賢明でないだろう。彼はもっと優勝できるか? もっとMVPを受賞できるのか? かつて、ギリシャから来た不器用でやせた少年に閉ざされたドアが、突然開かれたかのようだ。

アデトクンボとバックスは、まさに「やるべきこと」をやった。だからこそ、ミルウォーキーで彼のレガシー(遺産)は確かとなっている。今後、彼がそこにどれだけ加えていけるかを見るのが楽しみだ。

原文: By winning NBA championship, Bucks' Giannis Antetokounmpo put himself on track to reach rare level of greatness(抄訳)


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