大谷翔平は舞台の主役になった。そしてそのことを喜んでいる。
2021年、このロサンゼルス・エンゼルスの二刀流スーパースターは歴史的としか呼びようがないシーズンを送った。もはや大谷はチームメイトであるマイク・トラウトに代わって、「野球界の顔」として他に類を見ない(神話的と呼んでもいい)存在になったと言えるだろう。
大谷はスポ―ティングニュースの2021年最優秀選手賞、2021年最優秀アスリート賞、そしてアメリカン・リーグ最優秀選手賞に満票で選出された。これら多くの受賞は大谷が2018年に新人王に選ばれた偉業までを覆い隠してしまった。
大谷翔平が2021年スポーティングニュース最優秀アスリートに選出
やや意味がはっきりしない言葉であるが、「野球界の顔」という称号はこのスターにもっとも相応しいように思える。
GQの長大な特集ページに登場した大谷は、野球界の顔と呼ばれることになったことへの感想を述べ、さらにこのスポーツを代表する親善大使という新たな役割を喜んで受け入れると語っている。
「プレッシャーもありますけど、私はそれを聞いて嬉しく思います。それこそが私がここに来た理由です。自分がなり得る最高の選手になることです。『野球界の顔』という言葉はとても嬉しいです。モチベーションをさらに高めてくれます。私はまだ本当に良いシーズンをまだ1年しか送っていませんから。たった1年だけなのです。ですから、モチベーションをさらに高めて、もっと良いシーズンをたくさん送りたいのです」
それ以外にも、大谷はスポーツ専門局『ESPN』の辛口コメンテーターとして知られるスティーブン・A・スミス氏から受けたナンセンスな批判についても言及した。7月にスミス氏は、大谷が英語を話そうとしないことは、フィールド上のプレイで貢献するよりも、野球界に害を与えているとケチをつけたのだ。
「そうですね。英語を話せたら、話したいと思います。もちろん、そうなりたいです。言うまでもありませんが、英語を話すことができれば、それに越したことはありません。それによって悪いことは何も起きないでしょう。しかし、私は野球をするためにここに来たのです。毎晩、フィールド上で私のプレイを見てもらえることが、私なりのファンの方たちとのコミュニケーションだと考えています。これについて言えることはそれだけですね」
大谷の2021年シーズンはスポーツの歴史で最高のシーズンだった。あらゆるスポーツにおいても、である。打者としては46本の本塁打を打ち、OPSは.965だった。投手としては23試合に先発登板し、130イニングを投げて、防御率は3.18だった。
スポーツ史に残る選手個人の最高のシーズン50選:2021年の大谷翔平も選出
この驚異的な2021年のパフォーマンスは大谷をあらゆるカテゴリーの中でも稀有の存在に押し上げた。今は野球界を代表する唯一の存在なのである。
#大谷翔平 :スポーツ史上最高のシーズンを送った男 #SN50 pic.twitter.com/qaWVKfZhTZ
— スポーティングニュース (@sportingnewsjp) December 31, 2021
(翻訳:角谷剛)