井上尚弥が8回TKOでWBA・IBFバンタム級王座防衛…3つ目のタイトル獲得へ前進

Naoya Inoue

WBAスーパー・IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥がIBF世界同級5位アラン・ディパエン(タイ)を8回TKOでくだし、両タイトルの防衛に成功した。今後は引き続きWBO同級王者のジョンリール・カシメロ(いずれもフィリピン)との対戦を念頭に置きつつ、WBC同級王者ノニト・ドネアとの再戦を軸に交渉を進めていくことになりそうだ。

2019年11月のドネア戦(ワールドボクシングスーパーシリーズ決勝)以来の国内世界戦となった今回、TV地上波での中継はなしとなったが、本場米国でのボクシング中継のように、国内ではひかりTVとABEMAでのPPV(有料視聴番組)でライブ配信が行われた。

両国国技館での有観客となったが、異例となるドレスコードを指定し、可能な限り観客には白い服の着用を求めた。場内が白に染まるなか、"モンスター"井上自身は赤をベースにしたトランクスで試合に臨んだ。

戦前「俺はモンスターハンター」と豪語したディパエンに対して、井上が早いラウンドでKOすると思いきや、じっくり攻め上げる展開に。井上が終始圧倒しながらも、気圧されないディパエンの奮闘ぶりは光るものがあったが、8ラウンド、勢いが落ちたディパエンのボディを撃ち抜いた井上が左フックを一閃。

これでダウンしたディパエンは朦朧としながらも起き上がるが、再び井上の左フックが火を吹き、レフェリーストップとなった。

試合後、井上は短期決戦を期待していたファンに詫びると同時に、ディパエンのタフネスぶりに「やっているこっちがメンタルやられそうだった」と話すなど、伏兵に手を焼いたことを告白した。

コロナ禍で大物との試合が成立せず、カシメロとの舌戦が展開されたものの、カシメロ自身の計量失敗と王座剥奪危機により、不透明な状況になった。一方で、先日WBC世界バンタム級王者として暫定王者レイマート・ガバリョ(フィリピン)をくだし、WBCベルトを統一したドネアの再戦ラブコールに、「(井上対)ドネア2は必ず実現させる」と井上自身もTwitterで応えたばかりだ。

当人の希望もあり、まずはドネアとの再戦に一本化する可能性が高く、"相思相愛"のカードの実現に期待ができそうだ。

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