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【試合後一問一答】自己最多26得点をあげた渡邊雄太「正直、全然嬉しくない」

2021-12-27
読了時間 約3分

12月26日(日本時間27日)にロケット・モーゲージ・フィールドハウス(オハイオ州クリーブランド)で行われたクリーブランド・キャバリアーズ戦にトロント・ラプターズの渡邊雄太が先発出場を果たし、NBAにおける自己最多得点となる26点(試合最多)をマークした。

得点のほか、自己最多&試合最長となる37分10秒をプレイした渡邊は、リバウンド(13/試合最多)、フィールドゴール成功数/試投数(11/20、いずれも試合最多)でもキャリアハイを更新(5ターンオーバーも自己最多)。ディフェンシブリバウンド(10)、オフェンシブリバウンド(3)は自己最多タイの数字を記録した。

ただ、試合は45点差(99-144)という大差で惨敗。新型コロナウイルスに関する安全衛生プロトコルにより主力を含む10選手が隔離措置を受けているラプターズは、23日(同24日)に3選手、26日に1選手の合計4選手と特例で10日間契約を結ぶという緊急事態に陥っており、戦力が整わない状況での試合だった。

そんななかで先発出場を果たし、個人スタッツで多くのキャリアハイを更新した渡邊が記者会見でメディアからの質疑に応じた。

以下、渡邊の会見全文(※英語と日本語の質問が混在。質問内容は全て抜粋。英語での質疑応答は翻訳)。


「45点負けの試合でダブルダブルをとっても正直、全然嬉しくない」

――今夜はダブルダブルをマークし、出場時間、得点、リバウンドなどがキャリアハイだった。

渡邊:正直、なんとも思わないです。こういう状況は仕方ないですけど、負け方が負け方ですし。26得点だとか、13リバウンドは数字だけ見たらいい数字だと思いますけど、さすがに45点負けの試合でダブルダブルをとっても正直、全然嬉しくないですね。

――試合前、ナースからの指示や新加入の選手への助言などはあったのか。

渡邊:特に何かそういうのがあったわけじゃないです。試合前も、新しく来た4人の選手とは本当に試合の直前に会って、そこで自分たちの自己紹介をし合って、今日、プレイでした。本当にすごく難しい試合でしたし、言いたいことというか、思うことはたくさんありますけど…とりあえず、久々にバスケットができて良かったかなとは思います。

――試合開始前、ナースHCからどんな指示があり、準備は普段とどう違ったのか。

渡邊:新加入の4選手たちとは試合開始直前、アリーナに向かうバスの中で(初めて)会いました。会場につき、いくつかのプレイは練習しました。その後、試合前のミーティングではいつもは相手チームの選手の映像を見るのに、今日、コーチは自分たちのものを見せたんです。僕たちがどんなプレイをするかを知るためです。普段のゲームとはかなり違いましたね。

「先週はまったくチーム練習ができませんでした」

――同僚たちが次々と安全衛生プロトコルに入ったこの8日間、どう感じたか。

渡邊:ゴールデンステイト(ウォリアーズ)戦後はもう何もできませんでした。練習施設に行くたびに検査を受けて、そのたびに2、3人が陽性反応を示しました。彼らの体調が良くなることを願っています。先週はまったくチーム練習ができませんでした。できたのはジムに行って、1人でシュートを打つことだけ。先週やったのはそれだけです。

――今日のような試合をどう捉えたか。優れた成績を残し、自身が成長するための機会と感じたか。 

渡邊:それは確かですが、ただ、僕は何よりも勝ちたいんです。バスケットボールのゲームに勝つためにプレイしましたが、45点差で負けてしまいました。みんながやれることをやり、最善を尽くしましたが、クレイジーな状況です。少なくとも、僕たちは戦い、48分間にわたって競い合いました。こういった試合からも学び、次の試合までに何人が戻ってくるのかはわかりませんが、戦い続けるだけです。

――今季、すでにケガで多くのゲームを休んだ後で、安全衛生プロトコルに入ってまた1、2週間休まなければいけなくなることを不安に感じるか。

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渡邊:これだけみんなが陽性反応を示しているのだから、不安ではあります。安全で、健康でいるためにできることはすべてやっていて、もうこれ以上できることはないと感じるくらい。チームメイトたちもすごく気を付けていて、自宅で過ごし、よく食べ、寝るようにしていました。まだCovidに感染していない僕はラッキーなのでしょう。可能な限りで1人でいるようにして、あとは様子を見るだけです。

「そういうときにもっと僕がリーダーシップを発揮しなきゃいけないなと」

――クリスマスはどう過ごしたのか。

渡邊:何もしていませんよ(笑)。昨夜、ここ(クリーブランド)に飛行機で移動し、部屋で1人で食事しました。素晴らしいクリスマスの過ごし方でした。

――難しい試合をこなすなかで、得たもの、学んだことは。

渡邊:さっきもちょっと言ったんですけど、数字自体を見たら、自分の得点(26)もリバウンド(13)もキャリアハイですし、今日、コートに立っているときもできるだけ声を出して、やっぱりどうしても、新しい選手がたくさんいるなかで連携とかは絶対にうまくいかない部分があるんで、なんとか声を出してその部分をカバーできたらなというふうには思っていたんですけど…。まあ、ゲーム内容がゲーム内容だけにちょっと…あまり得られたものというか、そういうのは正直ないです。

――次の試合も似たような状況になったときに、今日できなかったことで気を付けたいことは。

渡邊:特に(第)3(クォーター)の頭で、相手に簡単にやられ出したときに、自分たちのオフェンスがすごく単発になって、リズムに乗れずに一気に突き放されてしまいました。ああいうときにもっとリーダーシップを出して、単発なオフェンスになるばかりじゃなく、もっとペイントアタックからキックアウトとか、そういったリズムを作ったバスケットをチームとしてやっていかなければいけないと思います。特に今のこのメンバーだとそうです。そういうときにもっと僕がリーダーシップを発揮しなきゃいけないなとは思いました。

「最後までハードワークは絶対にやめない」

――第4クォーター最後は大差がついていたが、力は出し切っていた。どういう気持ちでプレイしたのか。

渡邊:点数はあの時点では考えないようにしていました。プレイタイムをもらえる以上、僕は全力でコート上ではプレイするように心がけています。点数どうのこうのじゃなくて、自分がコートに立ったときに、やらなきゃいけないことっていうのを常に考えて、最後までハードワークは絶対にやめないでおこうっていう気持ちで最後、コートに入りました。

――オフェンス面で確実に幅が広がっており、今日もプルアップからのシュートやゴール周辺へのドライブで得点していた。どういうところが良くなっているのか。

渡邊:やっぱり今は自信を持ってプレイできているっていうのがすごい大きいなって思っています。例えば最初の2年間、Gリーグではそういう点の取り方っていうのはできていました。それがNBAのレベルになると、少し躊躇したりだとか、オフェンス面で積極性が欠けて、ああいうシュートにいく場面というのが少なかったんです。ただ、今はNBAのレベルでも十分、やれるっていう自信を持ってやれていると思うんで、自分がもともとできていたことがより高いレベルでできるようになってきたという感じですね。

――身体が強くなったとか、スキルが向上したとかよりも、やはり気持ちの部分が大きいのか。

渡邊:もちろん身体が強くなっているとか、スキルが向上したっていうのもあるんですけど、それよりはやっぱり、より自信を持ってプレイできているというのが自分のなかでは一番大きいのかなというふうには思っています。

取材&一問一答構成:杉浦大介 @daisukesugiura


【動画】渡邊雄太 自己最多得点を記録したキャブズ戦後の記者会見

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