ボクシング女王がYouTuberジェイク・ポールに宣戦布告「前座なんてお断り、私は本物のボクサー」

2021-10-01
読了時間 約2分

女子ボクシング世界3階級制覇王者クラレッサ・シールズ(米国)が、お騒がせ系YouTuberのジェイク・ポールのプロモーションによるライバル選手への扱いに怒りを露わにし、宣戦布告を発したと英スポーツメディア『Sky Sports』などが伝えた。

お騒がせ系YouTuberとしてボクシングに挑戦し、プロとして4戦全勝を挙げると、"なんちゃってボクサー対ベテランプロ格闘家"の構図をボクシング界に波及させたジェイク・ポール。今年からは自身のプロモーション『Most Valuable Promotions(MVP社)』を設立し、ファイター兼プロモーターとしての活動も始めた。

そんななか、女子ボクシング界のスーパースターで、史上初の7階級制覇王者アマンダ・セラノ(プエルトリコ)を女子契約選手1号として迎えることになった。セラノは8月29日、ジェイク対元UFC王者タイロン・ウッドリー戦の前座試合でヤミレス・メルカド(メキシコ)と対戦し、WBC・WBO・IBO女子フェザー級世界王座を防衛している。

同日のイベントは記録的な収益で前座試合の出場者にも大金が支払われたという報道もあったが、実際のところメインイベントのジェイクやウッドリーのファイトマネーには遠く及ばない額だったという。昨今、男性アスリートに比べて女性アスリートの報酬が少ないことに対して批判の声が上げる選手が目につくようになったが、現役女子ボクシング王者としてMMAに挑戦するクラレッサ・シールズもまたそのひとりだ。

セラノを長年ライバル視するシールズは、MMA専門メディア『MMA Junkie』の動画インタビューにこう答えた。

「セラノは7万5,000から10万ドルで戦ったって言うじゃない。(米TV局)SHOWTIMEのもとで戦ったときの最後のギャラは35万ドルだったって言うのに…正義はどこにあるの? セラノは40勝0敗、32KOの7階級世界王者なのよ。ジェイク・ポールとウッドリーにはいくら支払れたのよ?」

ジェイクとウッドリーは両者合わせて約200万ドルを手にしたという。比率は勝ったジェイクが多いはずだが、少なくとも負けたウッドリーもわずか7万5,000ドルということはないだろう。ジェイクは女性ボクサーの報酬について公平性を持って扱いたいとしていたが、シールズの言質によれば、その約束は守られなかったことになる(現時点でジェイク側からの明確な反論はない)。

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この報酬額問題について触れる前、シールズは自身の立場に置き換えて、ジェイクの試合の前座に配されたとしたら、「無礼極まりない。あり得ない」と表現している。

「私がジェイク・ポールの前座で戦うことは絶対にありません。私は3階級制覇の現役世界王者であり、2度のオリンピック女子ボクシング金メダリストです。私は100万ドルファイターですから」

ただ、この不埒なYouTuberに直接的な鉄拳をかざしたいようだ。

「(ジェイクは)サーカス・ショーをしているだけよ。彼らを軽視するワケではないのだけれど、私は本物のボクサーよ。今の階級でもジェイク・ポールを打ち負かすことができるわ」

挑発された格好のジェイクは、シールズのインタビュー動画が出たの同じ日、自身のInstagramに正式契約を交わしたセラノを幅広いジャンルに売り込むため、精力的にサポートすると投稿。

MVP社の公式Instagramでも"セラノ推し"の連続投稿を行っている。ジェイク自身は、WBC世界ヘビー級王者タイソン・フューリーの異母弟であるトミー・フューリーとの対戦実現に動いており、シールズを相手にすることはなさそうだが…?

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