バリー・ボンズ、ロジャー・クレメンス、カート・シリング、サミー・ソーサに残された野球殿堂入りの可能性とは

2022-01-31
読了時間 約2分

何はともあれ、バリー・ボンズ、ロジャー・クレメンス、カート・シリング、そしてサミー・ソーサにとっては、今年が全米野球記者協会(BBWAA)の投票による野球殿堂入りを果たす最後のチャンスだった。

今回は彼らが野球殿堂候補者リストに入る資格を得てから10回目の投票だったのだ。以前はその資格を保持できる期間は15年間だったが、2014年から殿堂によって10年間へと短縮されている。ボンズとクレメンスの今年の得票率はこの10年間で最高の数字だったが、それでも選出条件の75%には届かなかった。シリングの得票率は2020年と2021年には70%ラインに届いていたが、今年は58.6%まで落ちてしまった。ソーサの今年の得票率は18.5%に留まった。

しかし、彼らが野球殿堂入りする可能性が消えたわけではない。1つのドアは閉ざされたが、クーパーズタウン(野球殿堂の所在地)は別のドアを開いているのである。

詳しく説明しよう。

ボンズ、クレメンス、シリング、そしてソーサが野球殿堂に選出される残された方法とは

この4人のようにメジャーリーグで傑出した成績を残したすべての選手はベテランズ委員会による投票候補に入る資格がある。これまでにベテランズ委員会は様々な分科会に分けられ、その区分や数は変化してきた。現在は年代を基準として、現代野球(1988年から現在まで)、近代野球(1970-87年)、黄金時代(1950-69年)、黎明期(1950年以前)の4つに分けられている。

ボンズ、クレメンス、シリング、そしてソーサは全員が現役時代のほとんどを1987年以降に過ごしている。従って、現代野球の対象になる。候補者は10人と定められ、選手以外にも監督、経営者、そして審判もその資格がある。ベテランズ委員会の候補者リストは通常ワールドシリーズが終了してすぐの11月上旬に発表される。

ベテランズ委員会での選出条件はBBWAAのそれと同じである。選手たちは75%以上の得票を得なくてはならない。現代野球委員会は16人で構成されるので、候補者は選出されるには最低でも12票が必要になる。

現時点では、彼が4人とも(あるいは誰も)、現代野球の候補者リストに入る保証はない。なぜなら候補者10人にはBBWAAでの対象にならない監督、経営者、そして審判も含まれるかもしれないからだ。その分だけ、彼ら選手が弾き出される可能性は少ないながらも存在する。

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現代野球委員会が開かれる時期

ボンズ、クレメンス、シリング、そしてソーサの名前をしばらくは聞かなくて済むだろうと考えている人は驚くかもしれない。次の現代野球委員会は2022年12月に開かれ、そこで2023年受賞者を決定するのだ。彼らがその選出サイクルに含まれることは間違いない。もし彼らが選ばれなくても、その理由が取り沙汰されることにはなるだろう。

現代野球委員会は5年に2回の頻度で開催される。2022年12月の次は2024年12月が予定されており、そこで2025年受賞者を選出する。近代野球委員会は2023年12月と2025年12月に、黄金時代委員会は2026年12月にそれぞれ開催される。現在決まっているスケジュールはそれだけである。

最後に現代野球委員会が開かれたのは2019年12月で、リー・スミスとハロルド・ベインズが選出された。スミスは16票、べインズは12票を得た。ルー・ピネラ監督は1票足らず不選出となった。アルバート・ベル、ジョー・カーター、ウィル・クラーク、オーレル・ハーシュハイザー、デービー・ジョンソン、チャーリー・マヌエル、そしてジョージ・スタインブレナーは全員が5票未満だった(正確な得票数は未発表)。

現代野球委員会の投票者は誰か

ベテランズ委員会の選考委員は野球殿堂の理事会が決定する。「米国野球殿堂メンバー、経営者、そしてベテラン報道メンバーらを含む16人で構成される」がルールだ。

2019年12月の投票者は以下の通りだった。9人の殿堂メンバー(ロバート・アロマー、バート・ブライレブン、パット・ギリック、トニー・ラルーサ、グレッグ・マダックス、ジョー・モーガン、ジョン・シャーホルツ、オジー・スミス、ジョー・トーリ)、4人のリーグ経営者(アル・アビラ、ポール・ビーストン、アンディ・マクフェイル、ジェリー・ラインズドルフ)、そして4人のベテラン報道メンバー(スティーブ・ヒルト、ティム・クルクジャン、クレア・スミス)である。

次回の投票者はこれとまったく同じにはならない。しかし、基本的な構成(殿堂メンバー、経営者、報道メンバーの比率)は似たようなものになるだろう。その投票者たちはボンズ、クレメンス、シリング、そしてソーサの4人に対して異なる見方をするだろうか。我々はそれを知るために長く待つ必要はない。

(翻訳:角谷剛)

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