ボクシングのアンソニー・ジョシュア(英国)が、WBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級統一王者オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)との再戦撤退合意報道について否定した。英国営メディア『BBC』が本人の声を伝えた。
1月24日、英紙『Express』などが、ジョシュアはWBC同級王者のタイソン・フューリー(英国)が年内にウシクと4団体統一戦を戦うことができるように、一旦身を引き、その試合の勝者との対戦権オプションを含め、1,500ポンド(約23億円)で合意したのではないかと報じた。
この一時撤退説は、フューリーの米国でのプロモーター、トップランク社のボブ・アラム会長から明かされたことで信ぴょう性が高まった。ジョシュア自身も検討する価値があれば受け入れる考えがあるという発言がなされていたと『Express』は伝えていた。
しかし同日、『BBC』がジョシュア当人のコメントを紹介し、本人が自ら、撤退合意を否定した。
「私は(撤退に関する)インタビューを受けていない。このひと(撤退合意記事を書いた記者)はどこから情報を入手したんだ?『AJは1,500万ポンドを受け入れて身を引く』って話だけど、私はそんな契約は結んでいないし、契約書も見ていないよ」
フューリーは春先にWBCの指名挑戦者であるディリアン・ホワイト(英国)とのタイトルマッチを予定しているが、ホワイトとWBCの調停裁判の影響で交渉が難航している。このため、フューリー陣営はウシクとの4団体統一戦というメガファイト実現を模索し始めた。そしてそれには、ジョシュアがダイレクトリマッチ権利を放棄し、ウシクとの年内対戦のタイミングを明け渡してくれるかが鍵だった。
ジョシュアは昨年9月の0-3の判定負けから3度目の3団体王者復帰を目指し、ウシクとの再戦のために秋から新コーチ探しを進めてきた。ただ、ジョシュア自身、「あらゆる段階で計算された決定を下します」とも話しており、再戦撤退を完全否定しているわけではない。新コーチ発表を含めて、ジョシュアの身辺に注目が集まりそうだ。