ボクシングマッチで荒稼ぎしているお騒がせ系YouTuberのジェイク・ポール(米国)と、ヘビー級のレジェンドで2020年にリング復帰したマイク・タイソン(米国)が、2022年末のマッチアップに向けて交渉を進めているという。
英紙『Sun』電子版によると、ジェイクとタイソンの両陣営は、今年の年末、ラスベガスを候補地とするボクシングマッチについて交渉中だといい、その額3,600万ポンド(約56.4億円)を稼ぎ出すビッグマッチになると期待されている。
ジェイクは、昨年12月18日、当初対戦予定だったトミー・フューリーが負傷欠場となり、代わりに元UFC王者のタイロン・ウッドリーと再戦。鮮烈の右フックで6回KO勝ちを収め、ただのお騒がせ系YouTuberではないことを証明した。
ウッドリー戦後、ジェイクは総合格闘技(MMA)の『UFC』関係者を次の標的としたのか、現役UFC契約選手の待遇改善を要求。デイナ・ホワイト代表はドーピング検査をしろと返すなど舌戦を繰り広げた。ホワイトは「決して貴様の挑戦は受けない」と一蹴しているため、こちらは(表面上は)手応えのない状況にあるが、ジェイクはMMAの練習風景を動画で公開するなど、外堀を埋めようとしている。
UFCとの絡み以外にも、ジェイクはトミー・フューリー戦を経て、その異母兄で現WBC世界ヘビー級タイソン・フューリーとの対戦も目論んでいるが、"元祖タイソン"との対戦の方が先に実現しそうだ。元々、兄のローガンとマイク・タイソンの試合が想定されていたものの、ウッドリー戦で評価をあげたジェイクとの試合にシフトしたという。実現すれば25歳のジェイクと、6月30日には56歳になるタイソンの31歳差対決になる。
鉄人マイク・タイソンは、2005年の現役引退から15年を経て、2020年11月末にロイ・ジョーンズ・ジュニアとのエキシビションマッチでリング復帰。ほとんどタイソンの一方的な内容だったが、決着はつかず引き分けとなった。小出しにしている練習風景では、50代半ばとは思えぬ驚異的な身体能力を披露している。
一方のジェイク・ポールは、YouTuberボクシング対決企画でプロライセンスを得ると、そこでの勝利をキッカケに本格参戦。元NBA選手、元UFC選手ベン・アスクレン、さらに前述のウッドリーを撃破。12月の再戦にも勝利し、5勝0敗だ。
31歳差とはいえ、相手はあのマイク・タイソン。当然、ファイトマネーの割合についての交渉がキモとなってくるが、ラスベガスの事情通によれば、「マイクは利益分配の保証付きの契約を望んでいる」という。現役選手関係者からすれば、過去の王者とボクシングを食い物にするYouTuberの目障りなカードとなるが、それでもPPVは総額3600万ドルの儲けがでると概算されている。
事情通は「ジェイク側としてはそれ(タイソンの要求)を踏まえつつ、かつて地球上で最悪の男と呼ばれていた男と一緒にリングに足を踏み入れることで、(ジェイクの)ボクシングキャリアが次のレベルに上がることを世界に示したいようだ」とも話しており、取り分としてはタイソンの方が多くなる可能性を示唆した。