ナダルがテニス界のワクチン非接種者らに「少し利己的」と苦言

2021-11-15
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プロテニスの男子シングルス元世界1位のラファエル・ナダル(スペイン)が、テニス界のワクチン論争について苦言を呈した。

ナダルは、地元スペインのスポーツ紙『マルカ』に「(新型コロナウイルスの)ワクチン接種を望まない人たちがいることは理解していますが、私は(そこに関連した彼らの言動が)少し利己的だと感じています」と話したという。

真っ先に思い浮かぶのが、ワクチン接種についてプライベートなことだとしてメディアの質問に答えることを拒否し、非接種者の権利を主張しているノバク・ジョコビッチ(セルビア)の存在だろう。全豪OP開催地の豪ビクトリア州は、ワクチン接種義務化を出場条件に挙げたままその規定を取り下げておらず、未だに非接種者の出場については不透明だ。

ジョコビッチは全豪OPのワクチン義務化問題を語る中で、世界的なワクチン接種の義務化・強制化の風潮や、それを誘導するようなメディアの報道に抵抗を示し、ほかの選手も意見を述べるべきだと発言。ダニール・メドベージェフ(ロシア)やアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)らがその考え(ワクチン非接種の選択肢の尊重)に追随して援護射撃ともいえる意見を述べるようになった。

来年1月の全豪オープンでの復帰を目指しているナダルは、そうした動きに苦言を呈したことになる。ワクチン接種にあいまいな態度をとっているステファノス・チチパスの発言はその特に悪い利己的な一例で、自分たち若い世代が新型コロナウイルスに罹って免疫を得ることが有益なことなどと言い放ち、大きな批判に晒された。

ATPツアーに参加する選手の約35%が10月下旬時点でワクチン未摂取だとされており、なかでもジョコビッチらの非接種のスター選手らの声が大きくなっている現状を憂いたのがナダルの苦言だろう。もちろんナダルはワクチンが絶対だと言っている訳ではない。

「私たちはワクチンの効果を100%知りませんが、医師を信頼する必要があります。今日、私たち(スペイン)はウイルスの影響が(欧州の中で)最も少ない国のようです。これは、人口の大部分がワクチン接種しているためだと思いますよ」

欧州では本格的な冬を前に陽性者が再び増加の傾向を示しており、ドミニク・ティエムの出身国であるオーストリアでは危機的な状況にあることから、ワクチン非接種とされる200万人に限定したロックダウンを実施することを14日に発表している。

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