NFL パワーランキング:ラムズがバッカニアーズを下してランキング首位に…49ers、チーフス、スティーラーズが大幅に順位を落とす

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NFLシーズン第3週目は多くの波乱が生じ、スポーティングニュースのパワーランキングは大きく変動した。ナンバーワンチームを破ったチームが新たなナンバーワンとなった。スーパーボウル55に出場したもう1つのチームは10位まで順位を落とした。

タンパベイ・バッカニアーズと急落したカンザスシティ・チーフスの間にはお馴染みの強豪チームが多く揃っている。そしてさらに意外なチーム(ラスベガス・レイダース、デンバー・ブロンコス、そしてカロライナ・パンサーズパンサーズ)が3戦全勝を保っている。

NFLはこのように予想が難しいからこそ、興味深い勢力図が早くも生み出された。特に中間ランクが混戦模様で、さらに下位チームのいくつかも侮れない。第4週目を迎える32チームの状況は以下の通りだ。

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NFL パワーランキング

1. ロサンゼルス・ラムズ、3勝0敗 (前回の順位:6)

ラムズは本拠地でスーパーボウル覇者のタンパベイ・バッカニアーズを下し、マシュー・スタッフォード(クォーターバック)とショーン・マクベイ(ヘッドコーチ)に率いられたこのチームがいかに危険な存在であるかを改めて知らしめた。だが、このチームの真の原動力はアーロン・ドナルド(ディフェンシブタックル)、ジェイレン・ラムジー(コーナーバック)らの強力な防御陣かもしれない。

2. タンパベイ・バッカニアーズ、2勝1敗 (過去の順位:1)

バッカニアーズは第2ラインに故障者が相次ぎ、この大きな穴を隠し通すことができなくなった。それ以外は好調だが、トム・ブレイディ(クォーターバック)はしばらくの間は強敵を相手に、パスを成功させ続けることを求められるだろう。

3. クリーブランド・ブラウンズ、2勝1敗 (4)

シカゴ・ベアーズ戦を前にして、ブラウンズの防御陣には改善が求められていた。ベイカー・メイフィールド(クォーターバック)の多彩な作戦を活かす攻撃陣をサポートするためだ。このチームはカンザスシティ・チーフスと並び、AFCカンファレンスの首位を争うと早くから見られてきたが、第1週にそのチーフスに僅差で敗れたことで、躓いた形になっていた。

4. アリゾナ・カーディナルス、3勝0敗 (6)

カイラー・マレー(クォーターバック)に率いられたカーディナルスの攻撃陣はジャクソンビル・ジャガーズ戦ではあまり機能していなかった。スペシャルチームにも課題は多かった。だがチャンドラー・ジョーンズ(ディフェンシブエンド)、J.J.ワット(ディフェンシブエンド)らの守備陣が期待された通りの働きを見せたことで、カーディナルスのチーム状態は万全であることを証明し続けた。

5. バッファロー・ビルズ、2勝1敗 (7)

ビルズはジョシュ・アレン(クォーターバック)をより効果的に活用することが求められていた。チームの伝統であるランと守備陣は既に新たな高い次元でのパフォーマンスを見せていたからだ。現在のチーム状態は非常に良く、チーフスが後退したことにより、ブラウンズとともにAFCの首位争いに加わった。

6. グリーンベイ・パッカーズ、2勝1敗 (11)

第1週目にジャクソンビルで行われたニューオーリンズ・セインツ戦でパッカーズが大敗した後、アーロン・ロジャース(クォーターバック)はパニックに陥らないようにとまたもや呼びかける羽目になった。第2週目のデトロイト・ライオンズ戦でロジャースは全員を安心させた。この勝利によって、パッカーズはいつものバランスとパワーを取り戻し、サンフランシスコ・49ersを退けた。パッカーズは再びNFCカンファレンスの優勝候補に戻ってきた。

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7. サンフランシスコ・49ers、2勝1敗 (2)

49ersは初めての敗戦によりNFC西地区の3位にまで順位を落とした。同地区内のラムズとカーディナルスに遅れを取ったのだ。それでも49ersは依然としてプレーオフ進出が確実視される戦力を保っている。守備陣は第2ラインに故障者が多いが、攻撃陣の主力に負傷者はない。ややまとまりに欠けながらも十分に機能している。

8. ボルティモア・レイブンズ、2勝1敗 (8)

ジャスティン・タッカー(プレースキッカー)が試合終了間近で放ったNFL史上最長フィールドゴールによって、レイブンズはデトロイト・ライオンズに辛くも勝利した。それはレイブンズの本来のスタイルではない。しかし、第1週目のラスベガス・レイダース戦で手痛い敗北を喫した後、チーフスとライオンズを立て続けに下したことは満足のいく結果である。守備陣も故障者の穴を埋めて、機能し始めたようだ。

9. ロサンゼルス・チャージャーズ、2勝1敗 (14)

チャージャーズのブランドン・ステーリー(ヘッドコーチ)はマクベイ(ラムズのヘッドコーチ)の門下生である。ステーリーの安定した手腕はチャージャーズを全体として上手くまとめ上げている。ジャスティン・ハーバート(クォーターバック)はまだ若く、新たに編成された攻撃陣と上手く機能している。守備陣も十分以上の働きをしている。AFC西地区ではレイダースとブロンコスがまだ無敗ではあるが、チーフスに挑む真の挑戦者はチャージャーズである。

10. カンザスシティ・チーフス、1勝2敗 (3)

チーフスはブラウンズ戦で守備陣の弱点を露呈したが、それ以上にこのチームらしからぬターンオーバーを連発したことで、パトリック・マホームズ(クォーターバック)が加わって以来初めて勝率5割を切ってしまった。長期的に見れば、チーフスは調子を取り戻すだろう。しかし、ブラウンズとビルズが虎視眈々とAFCカンファレンス優勝を狙っている。

11. テネシー・タイタンズ、2勝1敗 (13)

タイタンズはカーディナルスに敗れたものの、続く2試合でシアトル・シーホークスとインディアナポリス・コルツを連破してみせた。新しい攻撃陣は上手く機能しているが、防御陣にはまだ不安が残る。

12. ラスベガス・レイダース、3勝0敗 (15)

レイダースは本拠地・ラスベガスに相応しい番狂わせを演じ続けている。ジョン・グルーデン(ヘッドコーチ)とデレック・カー(クォーターバック)の作戦は常にギャンブル的要素に満ちている。彼らは確率や確実なフットボールの統計といったものに頼っていない。だが来週のチャージャーズ戦はさらに厳しい賭けが待っているだろう。

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13. ダラス・カウボーイズ、2勝1敗 (12)

カウボーイズはNFC東地区でワシントン・フットボール・チームとニューヨーク・ジャイアンツには怯える必要がない。ダック・プレスコット(クォーターバック)を得て、カウボーイズが地区優勝候補に返り咲いたことを証明するためには、フィラデルフィア・イーグルスだけに集中すればよい。

14. ニューオーリンズ・セインツ、2勝1敗 (16)

セインツはニューイングランド・ペイトリオッツ戦に特別な試合戦略で臨んだ。防御を固め、ランを多用し、ジェイミス・ウィンストンとテイサム・ヒルの両クォーターバックから数は少ないがタイミングの良い好プレイを引き出した。NFC南地区でバッカニアーズの上を行くのは難しいだろうが、ショーン・ペイトン(ヘッドコーチ)はプレーオフ進出のためにするべき仕事をこなしている。

15. フィラデルフィア・イーグルス、1勝2敗 (19)

ジェイレン・ハーツ(クォーターバック)は健闘しているが、イーグルスの攻撃陣は相変わらず不安定だ。防御陣は安定してきている。ニック・シリアニ(ヘッドコーチ)の作戦ではカウボーイズ戦の序盤に賭けたが、大差で敗北した。

16. シアトル・シーホークス、1勝2敗 (9)

シーホークスの防御陣は全体的に穴が多く、ピート・キャロル(ヘッドコーチ)が望むパフォーマンスを発揮できていない。ラッセル・ウィルソン(クォーターバック)と攻撃陣のレベルは高いが、勝率5割を越えるには難しい状況だ。NFC西地区には強敵がひしめき、シーホークスが首位から最下位に転落するまでに長い時間はかからなかった。

17. カロライナ・パンサーズ、3勝0敗 (20)

パンサーズはニューヨーク・ジェッツとヒューストン・テキサンズを相手によい仕事をしたが、もっとも素晴らしかったのは2戦目のニューオーリンズ・セインツでの勝利だった。次はカウボーイズとイーグルスと強敵との対戦が続くが、それを前にしてクリスチャン・マカフリー(ランニングバック)とジェイシー・ホーン(コーナーバック)が離脱したのは大きな痛手だ。

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18. デンバー・ブロンコス、3勝0敗 (21)

ブロンコスはいまだ無勝利のニューヨーク・ジェッツを下すためにテディ・ブリッジウォーター(クォーターバック)の力に頼る必要はそれほどなかった。その前の対戦相手であるニューヨーク・ジャイアンツとジャクソンビル・ジャガーズも未だに0勝だ。ブロンコスの調子は全体的に良好だが、真のテストは次のレイブンズ戦になるだろう。

19. シンシナティ・ベンガルズ、2勝1敗 (23)

ジョー・バロウ(クォーターバック)とヤ・マー・チェイス(ワイドレシーバー)の連携はどうか。防御陣の改善はどうか。ベンガルズは若く成長途上のチームで、可能性に満ちている。2022年シーズンが決着するまでには、これからもサプライズを演出し続けるだろう。

20. ピッツバーグ・スティーラーズ、1勝2敗 (10)

スティーラーズは第1週目にビルズを破る番狂わせを演じたが、それは単なる幸運だったようだ。本拠地での2連戦となったレイダース戦とベンガルズ戦では攻撃陣がとても弱々しく見えた。新人のナジー・ハリス(ランニングバック)は輝きを見せたが、ベン・ロスリスバーガー(クォーターバック)がまるで壊れた時計タワーのようだった。

21. ニューイングランド・ペイトリオッツ、1勝2敗 (17)

ペイトリオッツは守備陣とランを充実させ、マック・ジョーンズ(クォーターバック)を隠すことに全力を注いでいる。だがその作戦が上手く行かないと、新人の力不足が露呈する。育成と勝利を両立させる試みは長いシーズンを通して行うことは不可能だ。

22. ワシントン・フットボール・チーム、1勝2敗 (18)

ワシントンの守備陣は才能ある選手に恵まれている割には上手く機能していない。テイラー・ヘイニッケ(クォーターバック)ら攻撃陣は健闘しているが、勝利を得るための理想的な姿からは程遠い。

23. ミネソタ・バイキングス、1勝2敗 (26)

バイキングスは敵地においてベンガルズとカーディナルスという強敵に僅差で2連敗したが、本拠地でのシーホークス戦では大勝した。ランの大きな援助もあって、カーク・カズンズ(クォーターバック)はまたもや良いパフォーマンスを見せた。

24. シカゴ・ベアーズ、1勝2敗 (22)

ベアーズはアンディ・ダルトン(クォーターバック)とジャスティン・フィールズ(控えクォーターバック)に多くを期待しているが、その試みは早くも崩壊しつつある。攻撃はちぐはぐで連携に欠け、思いきりもよくない。昨シーズンのベアーズはデビッド・モンゴメリーとワイドレシーバーたちをこれほどで宝の持ち腐れにはしなかった。

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25. マイアミ・ドルフィンズ、1勝2敗 (24)

ドルフィンズはトゥア・タゴヴァイロアに代えて、ジャコビー・ブリセットをクォーターバックに起用した。ブリセットはラン能力に長け、短いパスも得意とする。だが残念なことに、守備陣はブライアン・フローレス(ヘッドコーチ)が望む姿にはなっていない。相手のランにもパスにも対応できていない。

 26. アトランタ・ファルコンズ、1勝2敗 (31)

今年からファルコンズの指揮を執るアーサー・スミス(ヘッドコーチ)が初勝利を挙げた。対戦相手のニューヨーク・ジャイアンツはハードルの低い対戦相手ではあったが、それでも喜ばしいことには違いない。攻撃は十分にバラエティを備えてきたし、防御陣も泥臭く健闘した。次は本拠地でワシントンとニューヨーク・ジェッツを迎える。その後は試合がないバイ・ウィークが待っている。ファルコンズが勝率5割以上に到達する可能性は高い。

 27. インディアナポリス・コルツ、0勝3敗 (25)

 コルツの攻撃陣はカーソン・ウェンツ(クォーターバック)を活かしきれていない。守備陣の状態も最悪だ。フランク・ライク(ヘッドコーチ)が早くも今シーズンを諦めても不思議ではない。

 28. ヒューストン・テキサンズ、1勝2敗 (27)

 デビッド・カリー(ヘッドコーチ)とティム・ケリー(攻撃コーディネーター)が懸命にテキサンズの強化を図っているが、タイロッド・テイラーとデショーン・ワトソンの2人のクォーターバックを欠いた攻撃陣までは予期されていなかった。ザック・カニンガム(ラインバッカ―)らの守備陣は明らかに戦力不足ではあるが、健闘はしている。

 29. デトロイト・ライオンズ、0勝3敗 (28)

 ライオンズはダン・キャンベル(ヘッドコーチ)の下で奮闘している。本拠地で49ersとレイブンズを相手に健闘した。好材料は攻撃ライン陣とランであるが、守備陣に元気はあるものの、戦力的には見劣りする。

 30. ニューヨーク・ジャイアンツ、0勝3敗 (29)

 ジャイアンツは最初の2試合でダニエル・ジョーンズ(クォーターバック)ら攻撃陣は好調に転じ、問題は守備陣だと考えていた。だが第3週目ではファルコンズのディフェンスを相手に期待外れの低得点で終わってしまった。ジョー・ジャッジ(ヘッドコーチ)の目論見は大きく外れた。

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31. ニューヨーク・ジェッツ、0勝3敗 (30)

 ジェッツは新人のザック・ウィルソン(クォーターバック)を中心に新しい攻撃陣を編成したが、3試合の対戦相手がパンサーズ、ペイトリオッツ、ブロンコスといずれも防御力が強力なチームだった。次からはタイタンズとファルコンズとやや弱いチームとの対戦が続くうえ、その翌週は試合がないバイ・ウィークだ。ここで一息つき、体勢を整えることができるだろう。

 32. ジャクソンビル・ジャガーズ、0勝3敗 (32)

 トレバー・ローレンス(クォーターバック)は週を追うごとに調子を上げてきているが、まだ新人らしい失敗も多い。少なくとも、ジェームズ・ロビンソン(ランニングバック)を始めとしてランが向上していることは好材料である。だが守備陣はひどい。新ヘッドコーチのアーバン・マイヤーにとって最大の救いはスペシャルチームでしかない。

(翻訳:角谷剛)

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