WBC世界ヘビー級王者タイソン・フューリー(英国)の次戦決定が難航している。同暫定王者のディリアン・ホワイト(英国)の法的仲裁措置の結果を待つ状況にしびれを切らし、新たな対戦候補を探すフェイズに入っているという。英紙『Express』などが伝えた。
10月9日のデオンテイ・ワイルダーとの第3戦勝利後、フューリーの次戦の相手は、暫定王者のホワイトとオットー・ワーリン(スウェーデン)による10月30日の試合の勝者になるはずだった。しかし、ホワイトの練習中の肩のケガにより、試合は中止。
フューリー陣営は2月から3月上旬頃には試合を行いたい以降で、WBCによる暫定王者ホワイトの指名挑戦命令を待っていたが、ホワイト自身がスポーツ紛争仲裁機関の裁判解決を待つ身であるため、その命令がでないままとなった。これは今回より以前に、ホワイトが(ワイルダーとの試合を優先し)フューリーとの指名挑戦試合を実施するように動かなかったWBCに対して起こした仲裁裁判であるため、その裁判の結果がでなければ今回の命令も出せないためだ。
この数年中に4団体統一王座戦を目指すフューリー陣営にとって、足踏み状態は歓迎できるものではなく、ホワイトの裁判結果を待つという選択肢はなくなりつつあるという。
フューリーのアメリカでのプロモーターであるボブ・アラム氏は、ジョー・ジョイス(英国)を次戦の候補に挙げている。ジョイスは現在36歳、リオ五輪スーパーヘビー級銀メダリストで、7月末にカルロス・タカム(フランス)に6回TKO勝ちを収め、WBCシルバー王座の防衛、WBOインターナショナル王座を獲得した。新たな候補としては最右翼とみられる。
もっとも、アラム氏は次戦の相手はフューリー自身が決めるだろうと話しており、他にも選択肢があるようだ。
元WBAスーパー・WBC・WBO世界クルーザー級王者で、元WBA世界ヘビー級王者のデビッド・ヘイは、「(フューリーとは)2013年から決着していないビジネスがある」と主張している。両者は2013年9月28日に対戦予定だっだが、ヘイの練習中のケガで2014年2月8日に延期され、その後さらにヘイが引退勧告を受けるほどのケガを負って中止されている。後年、ヘイは何度か引退と復帰を繰り返し、2021年9月11日にエキシビションマッチで復帰したが、現在41歳と考えると、ヘイの線はかなり低いだろう。
WBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級統一王者オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)と前王者アンソニー・ジョシュア(英国)の再戦の勝者との4団体統一戦を素直に待つという選択肢もあるようだが、陣営の思惑はともかく、フューリー本人はそれまでに試合があるならやるという感覚のようだ。
「俺は他の人間を待つことはしないよ。2月か3月上旬にWBCヘビー級世界タイトルを防衛したいとは思ってる。ただ、相手が誰であるかなんてことは、結果が常に同じなんだから気にもならないよ」
フューリーは、12月18日にYouTuberのジェイク・ポールと対戦する異母弟のトミー・フューリーのサポートで父ジョン氏とともに取材に対応するほか、記者会見に参加するなど、自身の試合から離れた活動で日々を過ごしている。
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— TYSON FURY (@Tyson_Fury) November 24, 2021